皆様、本日は日本の海洋資源開発において、大変意義深いニュースが飛び込んできました。
本日(7月24日)、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)より、南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)で回収された「レアアース泥」の詳細な分析結果および環境モニタリング結果が公表されました。
今年1月から2月にかけて地球深部探査船「ちきゅう」により実施された深海5,569メートルからの採鉱・揚泥実験の成功に続き、「実際に持ち帰った泥の中にどれほどの価値があるのか」「環境への影響はどうなのか」という科学的な検証結果が本日明らかになったというわけです。
高市総理も本日早速ご自身のSNSで本件を取り上げられており、国家戦略としての関心の高さが伺えます。
私自身、これまで「我が国の海洋研究を推進する市議会議員連盟」の活動を通じ、加盟都市の代表として我が国の海洋開発の推進に積極的に携わってまいりました。それだけに、今回の分析結果の発表は、日本の資源自給に向けた大きな前進であり、大変感銘を受けております。
市民・国民の皆様にもこのプロジェクトの重要性を知っていただけるよう、今回の発表内容と事業のあらましを分かりやすく整理いたしました。
【分かりやすい要約】南鳥島レアアース泥プロジェクトのあらまし
1. そもそも「レアアース泥」とは?
電気自動車(EV)の駆動モーターやスマートフォン、最先端のハイテク製品、防衛装備品などに欠かせない希少金属(レアアース)を高濃度に含む海底の泥のことです。日本はこれまでその多くを海外からの輸入に依存してきました。
2. 今年1月〜2月に何が行われたのか?(採鉱試験)
JAMSTECの地球深部探査船「ちきゅう」を使用し、南鳥島沖の水深5,569メートルという厳しい深海環境から、独自開発したシステムで海底の泥を船上まで連続して引き上げる「揚泥(ようでい)試験」を実施しました。荒天を乗り越え、安全かつ確実に約50トンのレアアース泥を回収することに成功しました。

出典:JAMSTEC https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20260724/
3. 本日発表された「分析結果」のポイント
- 最重要レアアースが高濃度に含まれていた 回収された泥成分を分析した結果、レアアース総量のうち約54%が「中重(ちゅうじゅう)レアアース」と呼ばれる特に希少価値の高い種類(イットリウム、ジスプロシウムなど)であることが判明しました。
- 環境・安全性への影響が極めて低い 有害物質や放射性物質は有意に検出されず、同時に行った環境モニタリング試験からも、周辺の海洋生態系への環境汚汚染リスクは低いことが確認されました。
4. 今後のロードマップ(国産化への道のり)
- 2027年(令和9年)2月:採鉱した泥を船で輸送・陸揚げし、実際に精製・製錬するプロセスまで含めた、約1ヶ月間の本格的な採鉱試験を実施します。
- 2028年(令和10年)3月まで:経済性を含めた総合評価を行い、国内での「国産レアアース産業化」の実現に向けた最終判断が行われます。
おわりに
過酷な深海から資源を掘り出し、環境に配慮しながら技術を確立していくJAMSTECをはじめとする関係各位の現場での粘り強いご尽力に、深く敬意を表します。
日本が海洋資源を自給できる「資源大国」へと歩みを進めることは、経済安全保障の観点からも日本の未来の国益に直結します。
そして、古くから港湾事業が重要な都市基盤であり、海の産業とともに歩んできた我が街・神戸にとっても、こうした国家規模の海洋開発は大きな可能性を秘めています。神戸が誇る優れた港湾インフラや関連産業の技術力を生かし、海洋研究や資源開発のロジスティクス拠点・技術拠点として寄与していくことが、これからの神戸の新たな発展や活性化にも必ずや繋がると確信しております。
我が国の海洋研究を推進する市議会議員連盟での活動をはじめ、これまで培ってきた経験とネットワークを存分に生かし、神戸が日本の海洋開発の未来を切り拓く牽引役となれるよう、私自身も引き続き力を尽くしてまいります。